想像力が広がる名曲!ムソルグスキー《展覧会の絵》の世界

こんにちは!愛媛のピアノ教室、LUMINA Music Academyです。今日は、ロシアの作曲家ムソルグスキーが手がけた、壮大でユニークなピアノ曲《展覧会の絵》についてご紹介します。

この曲は、ムソルグスキーの親友で画家のヴィクトル・ハルトマンが亡くなったあと、彼の遺作展を訪れたムソルグスキーが、展示された絵画の印象を音楽で表現したものです。まるで私たち聴き手も一緒に美術展を歩いているような気持ちになれる、とても独創的な作品です。

曲は全部で10枚の絵を音で描写しており、その合間に「プロムナード(散歩)」というモチーフが何度か登場します。このプロムナードは、美術館の中を歩いているムソルグスキー自身を表しているともいわれ、曲全体をつなぐ大切な役割を担っています。

たとえば、ユーモラスな「グノーム(小人)」では、ぎこちない歩き方の小さな怪物が飛び出してきそうな迫力がありますし、「古城」では、風に揺れる城のシルエットや物悲しい雰囲気がゆったりとしたメロディで表現されています。また「バーバ・ヤガー」では、ロシア民話の魔女がほうきで飛び回る様子がスリリングに描かれ、クライマックスの「キエフの大門」では壮大で荘厳な響きが広がります。

実はこの《展覧会の絵》、もともとはピアノ独奏曲として書かれました。のちにラヴェルがオーケストラ用に編曲した版が有名になりましたが、原曲のピアノ版は、より直感的で、作曲者の息づかいまで感じられるような生々しさがあります。

ピアノで演奏するにはかなりの技術が求められますが、その分、ひとつひとつの曲に取り組むたびに音楽的な表現力や構成力が鍛えられます。たとえば「プロムナード」だけでもテンポやタッチの変化が多く、「歩く速さ」や「感情のゆれ」をどう音に表すか考えるのがとてもおもしろいポイントです。

この曲を学ぶと、ただ楽譜を読むだけでなく、「音で絵を描く」という、まさに“音楽を感じる力”が養われます。ピアノを学ぶ皆さんにも、いつかこうした“物語のある曲”にぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

音楽と絵画、そして想像力がひとつになった《展覧会の絵》。ぜひ、一度耳を傾けてみてください。きっと、音の中にたくさんの色や形が見えてくるはずです!

ルミナ ミュージック アカデミー

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