「ラ・カンパネラ」――小さな鐘が響く、大きな夢の曲

こんにちは!愛媛のピアノ教室、LUMINA Music Academyです。今日は、クラシックピアノの中でもひときわ有名な、リスト作曲の「ラ・カンパネラ」についてお話ししたいと思います。

この曲は、正式には「パガニーニによる大練習曲 第3番『ラ・カンパネラ』」という名前がついています。「ラ・カンパネラ」とはイタリア語で「小さな鐘」という意味。実際、曲のあちこちに“チリン、チリン”と小さな鐘の音を思わせる高音が登場し、聴いているだけでも夢の中にいるような気持ちにさせてくれます。

作曲したのは、ピアノの魔術師と呼ばれたフランツ・リスト。彼は自分自身が超絶技巧のピアニストだったので、その演奏にふさわしい華やかで難易度の高い作品をたくさん残しています。「ラ・カンパネラ」もその代表的な一曲で、プロのピアニストでも「これは難しい!」と口をそろえるほどです。

まず、何が難しいのかというと――

一番の特徴は、右手の大きな跳躍。高い音から低い音へ、そしてまた高い音へと、手を大きく動かしながら正確に音をつかまなければいけません。それに加えて、速いパッセージや細かいトリル(同じ音を連打する奏法)も多く、指先の細やかなコントロールが求められます。

でも、ただ難しいだけの曲ではありません。

「ラ・カンパネラ」は、聴く人の心をつかむ美しさ華やかさを持っていて、まるで鐘が星空の下でキラキラと響いているような、幻想的な世界が広がります。だからこそ、多くの人がこの曲に憧れ、いつか弾けるようになりたいと夢を見るのです。

当教室でも、生徒さんの中には「いつかラ・カンパネラを弾きたい!」と目標にしている方がいらっしゃいます。いきなりこの曲に挑戦するのは大変ですが、まずは基礎をしっかりと積み重ねて、指の動きや表現力を育てていくことで、少しずつ夢に近づいていけるのです。

ピアノの練習というと、つい「できる・できない」や「正しい・間違っている」といったことに意識が向きがちですが、実はその先にある「音で物語を語る」楽しさこそが、音楽の本当の魅力なのかもしれません。

「ラ・カンパネラ」は、鐘の音のように澄んだ音を届けたい、という気持ちがなければ、本当の意味で“完成”とは言えません。ただ速く、正確に弾くだけでなく、そこに“心”を込める――そんなことを、この曲は私たちに教えてくれます。

あなたも、いつかこの鐘の音を、自分の指で響かせてみませんか?

それでは、また次回のブログでお会いしましょう♪

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